雇用統計後の白金相場はさらに買い場になる可能性も
- 2014/09/01
- 13:10
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皆様今週も宜しくお願い致します。
まず、白金の動きからご紹介いたします。ドル建て白金のスポット価格60分足をご覧ください。
(ドル建て白金スポット価格60分足チャート)

白金は、スト終結後から投機筋の買いポジションの手仕舞いで下落してきました。NY現地8/20には、金を中心に大きく売られました。前回のコラムでは、この下落で投機筋の買いの整理売りがさらに進でいると予想していましたが、その通りになっているようです。投機筋のポジションについては、後ほどご説明致します。
この下げでは、一時的に白金は採算割れになっていた可能性があります。次のグラフをご覧ください。
(白金採算値と白金相場との差)

こちらは、今年7月にゴールドマン・サックス(G・S)が発表した南ア鉱山の白金の採算値と白金相場との差を示したものです。青の折れ線グラフは、ドル建ての白金相場を示しています。オレンジの棒グラフは、白金の採算値と白金相場との差です。白金の採算値は、G・Sが発表した数字を今年1月からの採算値として仮定し、かつ南アの通貨であるランド相場を考慮した白金の採算値です。(このランドと白金採算値は、ランド安になれば、ドル建て白金の採算値は下がるため、白金相場が下がっても採算に合うことになり、逆にランド高になれば、採算値は上がるという関係にあります。そのため、採算値は、ランドの動向を考慮する必要があります。)その採算値と白金相場との差が0ラインを下に抜ければ、採算割れということになります。注目すべきは、過去の動向をみてみると、採算割れとなった後は、短期的に相場が上昇して、採算割れは長く続かない点です。
直近では、8/20-21の下げによって採算割れとなりましたが、その後は反発してきています。その後は、採算値付近で動いている状況です。
この下落時には、投機筋のポジションの整理が進んでいます。次のグラフは、NY白金の投機筋のポジションの変化を示しています。
(CFTC建玉明細 NY白金)

これは8/26現在の数字ですが、投機筋の買い越し(緑の折れ線グラフ、投機筋の買いと売りのポジションの差) が下落しており、買いの整理がさらに進んでいます。詳細を見ると、買い(オレンジの棒グラフ)がやや減り160トン台に、また新規売り(青の棒グラフ)が増加しています。注目は、この新規売りの増加です。中期的には、需給の関係から強気ですが、短期的には、投機筋は新規売りしていきています。将来的には、この新規売りの買戻しを誘発が起こり、相場が上昇するきっかけになると思っています。
今週末には、米国の雇用統計の発表がありますが、雇用統計の結果を受けて、仮に金が下落したところは、白金も連れ安いになる可能性が高く、仮に下げたところは、白金は採算値や投機筋のポジションを見てもさらに買い場になると思います。
次に、金相場をみてみましょう。NY金日足とユーロドルの昨年7月頃からのチャートをご覧ください。
(NY金 日足チャート)

(ユーロドル 日足チャート)

NY金はここ1年もみ合った中、現在は1300ドル割れ近辺で推移しています。ユーロドルは、5月からユーロが安くドル高となり下落しており、直近安値を更新して1年前の水準まできています。金は、ドル高では売られやすいという特徴がありますが、ここ最近はドル高に連れ安くなるのではなく、1300ドル割れのところでは底堅くなっています。これは、1300ドル割れでアジアの実需買いが見られることが要因です。特に9-10月はインドの金需要が伸びるため、1300ドル割れはここ一年では高くはなく、買い場になっています。
(CFTC建玉明細 NY金)

それでは、金についても投機筋のポジションを確認しておきましょう。白金同様、8月の下落で買い越しが減っています。買いのポジションがもう少しで700トンを割れるところまできています。600トン台まで減れば整理売り一巡したとみていいと思います。さらに白金同様、新規売りで売りが増えている状態です。
週末の雇用統計で、仮に金が下落すれば、投機筋のポジション整理が進んできているため、売るべきポジションが少なく、下落幅や下落時間は限定的になると私はみています。さらに投機筋の買いのポジションが600トンまで減って、売りも増えると売られ過ぎとなり、踏み上げ(売りポジションの買い戻しによる相場の上昇)もあるとみています。
白金は、採算割れや投機筋のポジションから、雇用統計後の価格をみて仕掛けていただきたいと思います。
金は、雇用統計の数字を受けて来週末発表される建玉明細をみて、大きく買いが減って、売りが増えているようだと踏み上げが期待できますので注目です。
それでは、来週も宜しくお願い致します。
※当コラムは、弊社シニアストラテジストの後藤道義が、ウィークリーマーケットTV(2014/09/01)で解説した内容をまとめて記事にしたものです。
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白金は、スト終結後から投機筋の買いポジションの手仕舞いで下落してきました。NY現地8/20には、金を中心に大きく売られました。前回のコラムでは、この下落で投機筋の買いの整理売りがさらに進でいると予想していましたが、その通りになっているようです。投機筋のポジションについては、後ほどご説明致します。
この下げでは、一時的に白金は採算割れになっていた可能性があります。次のグラフをご覧ください。
(白金採算値と白金相場との差)

こちらは、今年7月にゴールドマン・サックス(G・S)が発表した南ア鉱山の白金の採算値と白金相場との差を示したものです。青の折れ線グラフは、ドル建ての白金相場を示しています。オレンジの棒グラフは、白金の採算値と白金相場との差です。白金の採算値は、G・Sが発表した数字を今年1月からの採算値として仮定し、かつ南アの通貨であるランド相場を考慮した白金の採算値です。(このランドと白金採算値は、ランド安になれば、ドル建て白金の採算値は下がるため、白金相場が下がっても採算に合うことになり、逆にランド高になれば、採算値は上がるという関係にあります。そのため、採算値は、ランドの動向を考慮する必要があります。)その採算値と白金相場との差が0ラインを下に抜ければ、採算割れということになります。注目すべきは、過去の動向をみてみると、採算割れとなった後は、短期的に相場が上昇して、採算割れは長く続かない点です。
直近では、8/20-21の下げによって採算割れとなりましたが、その後は反発してきています。その後は、採算値付近で動いている状況です。
この下落時には、投機筋のポジションの整理が進んでいます。次のグラフは、NY白金の投機筋のポジションの変化を示しています。
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これは8/26現在の数字ですが、投機筋の買い越し(緑の折れ線グラフ、投機筋の買いと売りのポジションの差) が下落しており、買いの整理がさらに進んでいます。詳細を見ると、買い(オレンジの棒グラフ)がやや減り160トン台に、また新規売り(青の棒グラフ)が増加しています。注目は、この新規売りの増加です。中期的には、需給の関係から強気ですが、短期的には、投機筋は新規売りしていきています。将来的には、この新規売りの買戻しを誘発が起こり、相場が上昇するきっかけになると思っています。
今週末には、米国の雇用統計の発表がありますが、雇用統計の結果を受けて、仮に金が下落したところは、白金も連れ安いになる可能性が高く、仮に下げたところは、白金は採算値や投機筋のポジションを見てもさらに買い場になると思います。
次に、金相場をみてみましょう。NY金日足とユーロドルの昨年7月頃からのチャートをご覧ください。
(NY金 日足チャート)

(ユーロドル 日足チャート)

NY金はここ1年もみ合った中、現在は1300ドル割れ近辺で推移しています。ユーロドルは、5月からユーロが安くドル高となり下落しており、直近安値を更新して1年前の水準まできています。金は、ドル高では売られやすいという特徴がありますが、ここ最近はドル高に連れ安くなるのではなく、1300ドル割れのところでは底堅くなっています。これは、1300ドル割れでアジアの実需買いが見られることが要因です。特に9-10月はインドの金需要が伸びるため、1300ドル割れはここ一年では高くはなく、買い場になっています。
(CFTC建玉明細 NY金)

それでは、金についても投機筋のポジションを確認しておきましょう。白金同様、8月の下落で買い越しが減っています。買いのポジションがもう少しで700トンを割れるところまできています。600トン台まで減れば整理売り一巡したとみていいと思います。さらに白金同様、新規売りで売りが増えている状態です。
週末の雇用統計で、仮に金が下落すれば、投機筋のポジション整理が進んできているため、売るべきポジションが少なく、下落幅や下落時間は限定的になると私はみています。さらに投機筋の買いのポジションが600トンまで減って、売りも増えると売られ過ぎとなり、踏み上げ(売りポジションの買い戻しによる相場の上昇)もあるとみています。
白金は、採算割れや投機筋のポジションから、雇用統計後の価格をみて仕掛けていただきたいと思います。
金は、雇用統計の数字を受けて来週末発表される建玉明細をみて、大きく買いが減って、売りが増えているようだと踏み上げが期待できますので注目です。
それでは、来週も宜しくお願い致します。
※当コラムは、弊社シニアストラテジストの後藤道義が、ウィークリーマーケットTV(2014/09/01)で解説した内容をまとめて記事にしたものです。
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