年末年始、白金の採算割れに注目!!
- 2013/12/24
- 14:11
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(※当コラムは、弊社シニアストラテジストの後藤道義が、ウィークリーマーケットTV(2013/12/24)で解説した内容をまとめて記事にしたものです。)
皆様今週もよろしくお願い致します。
今回が2013年最後となりますので、年末年始の戦略についてもお話いたします。
まずは、NY金スポット価格をご覧ください。

先週は、なんといってもFOMCで金融緩和の縮小が決定されたことですね。NY金は、一時上昇していますが、その後は大きく下落し1200ドルを割り込みました。週明けは1200ドルを挟んでまちまちな動きとなっています。
先週までのウィークリーマーケットTV、またはこのコラムにて、下落するときは、投機筋の売りの新規が増加することによって下落するとお話しました。週末のCFTC建玉明細で確認する必要がありますが、おそらくこの下げで投機筋の新規売りが入ったと思われます。
短期的には下げ要因ですが、中期でみると溜まった売りの買戻しのきっかけを探る展開となるでしょう。
そのきっかけになるのは、フォワードレートの動きにあるように思います。現在はゼロ近辺ですが、これがマイナスに転じると投機筋の売りの買戻し(ショートカバー)が誘発されて、価格が反発することでしょう。
ただし、これから年末年始を迎えるに当たって、短期はレンジ相場になっており、当面は短期的な値動きをとる戦略が良いと思います。
金については、金融緩和の縮小は、やはり弱材料です。投機筋の買戻しにより上昇しても継続的な上昇は期待薄です。東京金が本格的に上昇するのは、為替が今以上の円安が必要になります。それまではやはりレンジ的な動きとなるでしょう。
さて、今年最後は白金についてお話しようと思います。
次のグラフは、NY白金の価格と南アフリカの鉱山の採算価格との差を示したものです。

オレンジの棒グラフは、今年2月時点にゴールドマンサックスが言及した南アフリカの採算価格に南ア・ランドの動きを反映させたものです。(南アの鉱山の採算ラインは、南ア・ランドの動きで大きく左右されます。)
オレンジの棒グラフが0ラインを割り込みマイナスになったところは、採算割れを示しています。これを見ると、3月と6月に採算割れをみせたところは、すかさず買われて反発していることがわかります。
この採算ラインですが、年々上昇しており、今年も鉱山労組の賃上げ交渉によりコストが上昇していることが予想され、仮に春先から5%上昇していた場合をシミュレーションしたのが、赤の棒グラフです。
これによれば、9月、11月、そして12月今現在、採算割れを示しています。9月と11月は、上げ幅はまちまちなものの、反発しています。
さて、今回はどうなるのでしょうか。私は、反発の兆しが出ていると感じています。
金同様、白金もCFTCの建玉明細をみてみると、やはり価格の下落は、投機筋の新規売りの増加が原因であることがわかります。11月に20トンであった投機筋の売りは、直近のデータでは70トンまで膨らんでいます。
もちろん、今後も売りの積み増しも考えられますが、この膨らんだ売りの買戻し(ショート)による反発が入りやすい状況になっていることは念頭においておかなければいけません。

今年のおさらいをしますと、1月~2月は調子がよく上昇していましたが、それから下がり続けている状況です。そして今年は500円もの暴落も経験しました。これはアルゴリズム取引による高速自動売買が原因です。この取引により、これまで考えられなかったような行き過ぎが起き、価格が大幅に変動するようになりました。
この取引は、今後も続くと思われ、投資家の今後の戦略は、間違った行き過ぎが修正される力を利用して、取引することを覚える必要があります。
この行き過ぎの状況は、ウィークリーマーケットTVやこのコラムでもお伝えしていこうと思いますので、今後ともどうぞ宜しくお願い致します。
来年は、2014/1/6(月)大発会を予定しています。
それでは皆様、良いお正月をお過ごしください。
来年も宜しくお願い致します。
セントラル商事 シニアストラテジスト 後藤道義
新春経済講演会2014
『2014年の経済展望と株・為替・貴金属投資戦略』
弊社シニアストラテジストの後藤も登壇いたします。

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(※当コラムは、弊社シニアストラテジストの後藤道義が、ウィークリーマーケットTV(2013/12/24)で解説した内容をまとめて記事にしたものです。)
皆様今週もよろしくお願い致します。
今回が2013年最後となりますので、年末年始の戦略についてもお話いたします。
まずは、NY金スポット価格をご覧ください。

先週は、なんといってもFOMCで金融緩和の縮小が決定されたことですね。NY金は、一時上昇していますが、その後は大きく下落し1200ドルを割り込みました。週明けは1200ドルを挟んでまちまちな動きとなっています。
先週までのウィークリーマーケットTV、またはこのコラムにて、下落するときは、投機筋の売りの新規が増加することによって下落するとお話しました。週末のCFTC建玉明細で確認する必要がありますが、おそらくこの下げで投機筋の新規売りが入ったと思われます。
短期的には下げ要因ですが、中期でみると溜まった売りの買戻しのきっかけを探る展開となるでしょう。
そのきっかけになるのは、フォワードレートの動きにあるように思います。現在はゼロ近辺ですが、これがマイナスに転じると投機筋の売りの買戻し(ショートカバー)が誘発されて、価格が反発することでしょう。
ただし、これから年末年始を迎えるに当たって、短期はレンジ相場になっており、当面は短期的な値動きをとる戦略が良いと思います。
金については、金融緩和の縮小は、やはり弱材料です。投機筋の買戻しにより上昇しても継続的な上昇は期待薄です。東京金が本格的に上昇するのは、為替が今以上の円安が必要になります。それまではやはりレンジ的な動きとなるでしょう。
さて、今年最後は白金についてお話しようと思います。
次のグラフは、NY白金の価格と南アフリカの鉱山の採算価格との差を示したものです。

オレンジの棒グラフは、今年2月時点にゴールドマンサックスが言及した南アフリカの採算価格に南ア・ランドの動きを反映させたものです。(南アの鉱山の採算ラインは、南ア・ランドの動きで大きく左右されます。)
オレンジの棒グラフが0ラインを割り込みマイナスになったところは、採算割れを示しています。これを見ると、3月と6月に採算割れをみせたところは、すかさず買われて反発していることがわかります。
この採算ラインですが、年々上昇しており、今年も鉱山労組の賃上げ交渉によりコストが上昇していることが予想され、仮に春先から5%上昇していた場合をシミュレーションしたのが、赤の棒グラフです。
これによれば、9月、11月、そして12月今現在、採算割れを示しています。9月と11月は、上げ幅はまちまちなものの、反発しています。
さて、今回はどうなるのでしょうか。私は、反発の兆しが出ていると感じています。
金同様、白金もCFTCの建玉明細をみてみると、やはり価格の下落は、投機筋の新規売りの増加が原因であることがわかります。11月に20トンであった投機筋の売りは、直近のデータでは70トンまで膨らんでいます。
もちろん、今後も売りの積み増しも考えられますが、この膨らんだ売りの買戻し(ショート)による反発が入りやすい状況になっていることは念頭においておかなければいけません。

今年のおさらいをしますと、1月~2月は調子がよく上昇していましたが、それから下がり続けている状況です。そして今年は500円もの暴落も経験しました。これはアルゴリズム取引による高速自動売買が原因です。この取引により、これまで考えられなかったような行き過ぎが起き、価格が大幅に変動するようになりました。
この取引は、今後も続くと思われ、投資家の今後の戦略は、間違った行き過ぎが修正される力を利用して、取引することを覚える必要があります。
この行き過ぎの状況は、ウィークリーマーケットTVやこのコラムでもお伝えしていこうと思いますので、今後ともどうぞ宜しくお願い致します。
来年は、2014/1/6(月)大発会を予定しています。
それでは皆様、良いお正月をお過ごしください。
来年も宜しくお願い致します。
セントラル商事 シニアストラテジスト 後藤道義
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